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コ:明美、蒼夜から手紙を受け取った(ひらひら)

明:手紙、ですか?それだったら姉さんのでしょう。私に来るはずないじゃないですか?

コ:ああ、確かに私宛ての手紙だ。だが内容がSSなのさ。

明:SS?

コ:ここへの転載許可は取ってある。せっかくだから明美に読んでもらおうかと思ってな。

明:あ、そういう事でしたか。分かりました♪(にこ)
  (手紙に目を通して)…では、紡ぎましょうか。硝子の紅葉の物語を…(ぽろろん)



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恐怖は克服するものであって忘れるものではない。
恐怖は生物が生まれながらに持つ警報である。
その警報を感じ、行動する事で生存の道は開けるだろう。

戯れの為の狩りをしてはならない。
狩りとは生活の糧を得る為のものであり、スポーツハントなど以ての外である。
そのような行為に興じる事があれば、自然はその牙をお前に向けるだろう。

無茶は多少であればよし、ただし無理をしてはならない。
真に友を想うならば、進むだけではなく退く事も重要である。
無理をして動けば、自分だけでなく友の命を危機に晒す事になるだろう。

闇はその全てが邪悪なものではない。
闇は安らぎを与えるベッドにもなり、身を隠すコートにもなる。
闇を嫌い、光だけを求める者は、いつしか光に呑まれるだろう。





コーネリアが書き留めていたメモのようだ。
戦闘の技術に関する事や料理に関する事など、様々な事が書かれている。
メモにはまだ続きがあるようだ。時間のある時に読み進めるとしよう。
 
刀が閃く。腕に結ばれた深緑色のリボンが揺れ、紅葉色の髪がそれを追いかける。
その舞いの中で揺れるリボンを私はぼんやりと眺めていた。

…あのリボンは元々私の物ではなく、依頼でよく一緒になった1つ上の先輩が身に着けていたものだ。
リボンを集めるのが趣味だった先輩は、その1つ1つに願をかけていると言っていた。
そんな彼女が依頼の現場に向かう時、常に髪に結んでいたのはあの深緑色のリボンだった。

「あなたは元がいいんだから、もっとお洒落に気を使わないと」
そう言って渡された。勝利と生還の願がかけられているから、死亡フラグ立ちそうだけどね、と笑いながら…。

私だけが生き残る事になった依頼があったのは、それからすぐの事だった。

私がリボンの蒐集を始め、集めたものに願をかけ始めたのはその頃からだ。
何かと面倒を見てくれた先輩の遺志を継いで、という訳ではない。
だが、私の精一杯のお洒落として言葉通りにやってみよう、そう思ったのだ。

あの時、受け取っていなかったら死んでいたのは先輩ではなく私だったのだろうか…?
彼の誕生日が近付いたある日、そんな思いが頭の中をよぎった。
実際に持ち合わせがなかったのは事実だが、試したいという気持ちもあった。
それ故に、今まで身に着けていた形見のリボンを彼に渡したのだ。

…あのリボンにかけられた願がただの気持ちに過ぎないのか、離れていてもその効き目があったのかは分からない。単に私の運がよかっただけなのかもしれない。
その後、間もなく起こった人狼戦線で局地的敗北を喫した際、私は無事に生還したのだ。

だが、敗走の際に昔聞きなれた声を聞いた。
敵を掻い潜り、本隊への合流を導く声…幻聴で片付けられないほど、はっきりと聞いた気がした。
あの声は間違いようがなく…

「…あの、どうかしましたか?」
しまった…考え込むあまり、舞いを終えて近づいていた彼に気付かなかった。
「いや……何でもない。気にするな」
心配そうな顔で覗き込んだ彼を、帽子で遮るようにしてそう嘯く。
そう…ですか、と表情通りの声色で彼は答えた。私が普段見せない表情を見せた事に戸惑ったのかもしれない。

まぁ、声の真相が分かる事はないだろう。私がリボンを手放してなお、生きているという事実は変わらない。
なら清算の時を待ちながら生き抜こう、今までと変わらず、これからも…。
腰を上げて埃を払う。

「さ、行くぜ。おまえの鎮めの舞いを待つゴーストは多いんだからな」


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「今日の降水確率は40%とか言っていたか…」
 学校の屋上、遠くの雨雲を見上げて呟く。誰も頼んでいない梅雨入りが宣言されてから、天気予報は殆ど当てになっていない。放課後の空をここで横になりながら見上げるのが私の楽しみの1つだというのに、これでは気も休まらない。
 まぁ…いいか、今日ぐらい自分の勘を信じて寝転がってしまおう。夕立に注意とか言っていた気もするが雲は動かない、雨が降ってもここまでは届かないだろう。
 ……雨…か。あの時もこんな天気だったのだろうか…。



 …あれは高校入りたての頃だったか。入学当初からそこそこ腕の立つ能力者として教室の依頼をこなしていた私はその日、いつものように教室で依頼を受けた。山奥の農村に向かっている妖獣を、到着前に完殺する…簡単な依頼、そのはずだった。

 圧倒的な力だった。あの妖獣の目は今でも忘れる事はできない。目が合って、気がついた時には大雨の中で大の字になって倒れていた。軋む体を起こして見えた光景は、かつて木々であったもの、かつて村であったもの、そして…かつて人であったもの、かつて仲間であったもの。考えうる限り、最悪の結果だった。
 夢であればと何度も思ったが、現実は変えようがない。守る事もできず唯一人、生き残ってしまった。無力感を感じながらも償わなければと、土を掘り、人を埋め、木を削り、墓を立てた。
 どれくらいの時間がかかったなんて覚えてもいない。覚えているのは終わった後、疲れきって大の字になって倒れた事ぐらいだ。そう、目を覚ました時と同じように…。



 …意識が覚醒する。大雨だった。
「…やれやれ、こんなになるまで気がつかないとはな」
 濡れた体を起こす。幸い、目に広がる光景は惨劇の場ではなく誰もいなくなった屋上だった。空は明るかったが、遠くにあったはずの雨雲は学園近くまで来て溜まるに溜まった水分を吐き出していた。
 本来ならすぐにでも学校の中に戻らなければならないような状況だったが、今回はそんな気にはなれなかった。

 …気になったのだ、妖獣のその後がだ。
 気がついた時、あの場には妖獣の姿はなかった。虚ろな意識の中ではあったが、周囲の状況からは逃走した形跡はないように感じた。あの時は仲間と刺し違えて消滅したとばかり思っていたが、果たして本当にそうだったのだろうか?農村の破壊後に元の道を戻って行った可能性もあるのでは?仮に戻って行ったとしてもあれから2年近く経つ、日増しに強くなる痛みに耐えかねて自滅したとも考えられるのでは?
 …とにかく、あれ以来運命予報では類似した特徴の妖獣の話は聞いていない。

「清算の日は…こないだろうな」
 悔やんでも悔やみきれない事ではあるが、生き残った人間の務めとして背負って生きるしかない。それに、もし『運命の糸』の縁に恵まれていれば、出会う事もあるだろう。その時は弾の一発一発に積もり積もったものをこめて撃ち抜いてやればいい。
 仕事に情は挟まない。そうやって今まで依頼を完遂してきたが、そんな機会が与えられたら『運命の糸』という奇跡に感謝をしながら感情に身を任せてしまおう。そう決めたら何となく気が楽になった感じがした。
「……さ…戻るか。いい加減、冷えてきた」
 誰に聞かせるでもなくそう口にして、立ち上がり屋上の出口へと足を向ける。
 まぁ…例え雨や自分の血でずぶ濡れになろうと、消せないミスの清算という奇跡の日を待ちながら生き抜くとしよう…。


背後の後書きは↓

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