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コ:明美、蒼夜から手紙を受け取った(ひらひら)

明:手紙、ですか?それだったら姉さんのでしょう。私に来るはずないじゃないですか?

コ:ああ、確かに私宛ての手紙だ。だが内容がSSなのさ。

明:SS?

コ:ここへの転載許可は取ってある。せっかくだから明美に読んでもらおうかと思ってな。

明:あ、そういう事でしたか。分かりました♪(にこ)
  (手紙に目を通して)…では、紡ぎましょうか。硝子の紅葉の物語を…(ぽろろん)



──飛燕の舞──


初めて刀を振るったのは雨の降る日だった。
茫、としていた。硝子の針で刺されるような、冷たい春の雨。桜は散って、咲き乱れるように墜ち続けている。
そして、爪で切り裂かれた左腕の痛み。それでようやく、はっ、とする。……夢のような膜から、ようやく抜け出し覚醒した感覚。
──それまで私は虚ろな人間だった。大切なものを亡くして、ぽっかりとした心と身体で漂うばかりだった。日々を、学校を、誰もいなくなった家を──。
ただ私は目の前に掛かる赤い前髪で悲鳴だけを上げていた。声に出す力はもう無かったから、胸の奥で呼吸を止めるようにして、微かに呻くだけだった。
つまる所、私の胸は色褪せて、赤い血に、反応しているだけ。
その時もそう。腕から流れる鮮血の色に、私は、意識を呼び起こされていた。

──御前の敵だ。

斬れ。切り伏せて塵にしろ。燃やし尽くして灰にして、その不毛さを、悲しみを、私の苦しみを沈めて鎮めていけ。
この血に流れる呪いのままに。
鎮魂の、剣舞を。
「……殺す」
そのとき、私の中の復讐心は敵意と相まって、燃え上がった。
炎。私は何時だって焔。触れる愛も、与えられ愛も、身を焦がす夏火(かや)の篝火。
蛾達は光り求めて、火炎の中に身を落とす。
焔舞。
命を燃やして命を惹き付ける、凄烈な焔の舞。
そういうもの。
そうして、私は一族でいう黄泉鬼──地縛霊を八つ裂きにした。
鎮魂の舞。
私の魂をも鎮める、紅蓮の舞。
怒りと憎悪と、恐怖の入り交じった鮮血の涙。母が最後に流したものと、多分同色の。
何時しか、私の中の焔は、色を変える事もなく凍て付いて硝子のように透けるものになった。
氷のような硝子に。
一切、色褪せる事なく。
そうして私は硝子の焔舞を踊り続ける。
……その筈だった……。


人狼戦争は私の、いや僕の中の何かを確実に変えていた。いや、違う。変わった事を確信させた。
戦いの決まった時。出撃しようと決めた時。一番大切な人から、リボンを渡された時……。
男の子なのに、女の子っぽくて頼りないのかなって笑って。戦いの意味が解って瞳を閉じた、出撃する瞬間。
怒りも憎しみも、そして恐怖もなかった。
ただ悲しみと、ひどい決意があった。


だから、だろう。こうして、すべて終わった後に舞っている。

片手には彼らを切りつけた緋焔刀。もう片方の腕には渡されたリボンを結んで、一族から奪って来た扇。
舞う度に紅葉色の、血とは似ても似付かない髪が靡く。
それが、僕の全て。四神?蒼夜として戦った、その跡の全て。
「生命賛歌は終わってるんだ、そろそろにしておきな」
「いえ、だからですよ。終わったから……踊っているんです」
笑う、気配。
「さっき、あれだけ銃弾を叩き込まれて倒れた後だろうに」「あう……」
申し訳ない気持ちと、恥ずかしさで顔が染まる。
もう、夕日で見えない程度だけれど。

ええ、確かに無茶をしたかもです。あなたがいなければ、もっと無茶をして本当の意味で倒れたかもしれないしれない。実際、毎回倒れてしまっているのですし。
でも、あなたは思ってくれる。
僕に残った人間性は、多分。
あなたの弾幕に守って貰っているんでしょうね。
 

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